引越しにて統合

本家http://d.hatena.ne.jp/masuo45/と 連動して続けてきましたが、 このたびブログの引越しに伴い ここはほぼ更新しないことにしました。 引越し先は http://smallmagic.exblog.jp/ ここで書いてきたような 音楽ネタも満載にしていくつもりです。 本家とも…

SSW

■The Heart Of Saturday Night / Tom Waits (1974)■ ある土曜日の夜 いつものように暇を持て余しているバー 僕はカウンターのいつもの席に座っていた 開けたばかりの赤ワインのボトルを 僕とマスターのグラスに注ぐ そのとき、トム・ウェイツの「土曜日の夜」…

■Bearsville Box Set / V.A. (2009)■ 96年に発売された初版のボックス・セットは、長門芳郎氏のライナーにあるように、瞬く間に市場から消え去ってしまった。あえなく僕は買いそびれてしまい、中古屋に行くたびに血眼になって探し回っていた。 ただ、当時働…

■Tokyo Sessions 1989 / Peter Gallway (2010)■ 21年前の東京の記録は 色褪せることなくどこまでも瑞々しい リズムは洒脱に跳ねる そして、ことばが紡がれていく 東京FMのスタジオで放送用に行われた、ピーター・ゴールウェイと佐橋佳幸をはじめとする日本人…

■Bobby Charles / Bobby Charles (1972)■20歳の頃、このLPを手に入れた。 その後、CDは88年盤をはじめ、 2曲のボーナス・トラックが収録された98年盤 4曲のボーナスの2007年の紙ジャケ盤 そしてジャケット、タイトルが異なるフランス盤 トータルで5枚所有し…

■ここで逢いましょう at ムジカジャポニカ 2009.11.27.■ 僕たちが思うほど そんなに月日は流れていない とはいえあの頃20代だった僕たちは 30代に入り 住む場所を変えたり あるいは家族を持つことになった チョウ・ヒョンレが歌い キム・スチョリも歌う そし…

■ろっかばいまいべいびい / 西岡恭蔵 (1975)■ 「まぁみなさん、元気に生きていきましょう」 1999年、初春。 あるラジオ番組にゲストとして西岡恭蔵が出演していた。 彼が自らの生に終止符を打とうとする少し前のことだ。 その一言は番組の終盤、リスナーに向…

■スチョリ vs ヒョンレ at京都SOLE CAFE 2009.09.26.■ それぞれの道を歩み始めたふたりの歌い手がいる ひとりは美しいピアノに流麗な歌を紡いでいる もうひとりは酒をあおりながら 思い向くままにギターをかき鳴らし叫んでいる その昔 彼らはひとつのバンド…

SSW

■One Summer Day / Peter Gallway (1976)■ リネン素材のシャツと 淡いベージュのコットンパンツに 履き慣れたトップサイダーのデッキシューズ それと愛用のアコースティックギター 白のワーゲンに乗り、フリーウェイを走る 日はまだ昇ったばかりで 空気が、…

■初恋に捧ぐ / 初恋の嵐 (2002)■ 男の歌はすぐそこにある 絞り出す感情 空気を湿らす吐息 けれど男はもういない これは想像のストーリーなのか とある真夏の夜の事なのか 晩夏の夕暮れどき 男の歌は胸に染み入る

good time music .com 145号

■Closing Time / Tom Waits (1973)■ 音の無い雨が降る夜 公園通り 午前2時 木製のドア いびつなテーブル 薄暗い灯り ごうごうと唸る冷房装置 雨の匂いと甘美なワイン 煙草の煙が奇妙な弧を描く そろそろ閉店の時間なんだ 男はぼそぼそとつぶやいている

■Hot And Sweet / Mighty Sparrow (1974)■ キンキンに冷えたビールを ゴクゴクと喉を鳴らして飲む あるいは真っ黒な夜空を色鮮やかに染める 花火をうちわ片手に川沿いで見上げる おやおや、夏の楽しみ方をもうひとつ忘れちゃいないか そうさ、マイティ・スパ…

■みやこ音楽 / V.A. (2006)■ 和歌山で生まれ育ち、その後大阪へ出てきた僕にとって京都はそれほど縁がある土地ではない。兄が学生時代を京都で過ごしていたから一人暮らしのマンションへよく行ったものだが、京都という街にいまひとつピンと来なかった。それ…

■グッバイラヴタウン / 風博士 (2008)■ 僕たちを含めて10数人の客席 中崎町のR cafe 2階の小さな空間に 大柄の風博士が現れた 白いギターを抱えて 透き通る歌 小粋に跳ねるギター あるいは洒脱なコード進行 その全てを全身で受け止める 街は祭りの夜 ざわざ…

■日暮しグルーヴィアン / 風博士 (2009)■ 風博士という名前はずいぶん前から僕の脳に刻み込まれていた。しかしそれは「風博士」という字面だけで彼の演奏する音楽のことは全く気にもかけていなかった。少しのきっかけと、偶然(あるいは必然)の出会いまでに…

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■Jackson Browne / Jackson Browne (1972)■ 7年前のことだ。 僕と友人B夫妻の3人は、阪急神戸線の塚口駅から歩いてすぐのところにあるバーのカウンターに腰を下ろしていた。8月のことだったと記憶している。僕の記憶力は相当いいほうだからおそらく間違いな…

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■Song For Juli / Jesse Colin Young (1973)■夜のうちに降り続いた雨をたっぷり染み込ませた世界は 朝の新鮮な光りを浴びて驚くほど新しくなる 窓を開け放ち 風を招く 通りにひげの長い一匹の猫がいた ジュリー、と呼んでみたが もちろん返事はない

■Mike Finnigan / Mike Finnigan (1976)■ ジミ・ヘンドリクスの『エレクトリック・レディランド』、ジャニス、CS&Nなど、キーボード奏者として数々のセッションを渡り歩いてきたあと、ジェリー・ウェクスラーを指揮官に迎え制作した傑作ソロ作である。 ロジ…

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■Like A Seed / Kenny Rankin (1972)■ 優しい雨がよく似合う 雨のよく降るこの季節に 天に召されるなんて この人らしいじゃないか

■Beneath the Buttermilk Sky / 中村まり (2009)■ 土臭く香ばしい音楽が灰色の空に溶けていく これはいつか見た風景 懐かしい匂いがする そんな錯覚におそわれる 柔らかいアコースティックギターの音色 瑞々しさを含んだ歌声はどこかくすんでいる まるでバタ…

■John Simon's Album / John Simon (1970)■ ジョン・サイモンのアルバム。 そう、これはジョン・サイモンのアルバムであり、ジョン・サイモン以外の人間には生み出すことはできない。彼の頭の中に響いている音や言葉を具現化すると、こういう音楽が生まれる…

■The Basement Tapes / Bob Dylan & The Band (1975)■ ウッドストック・サウンドと呼ばれる音楽の多くは、古い木造家屋の床が軋むような音があちこちに潜んでいる。そしてどこか閉鎖的な空気が漂ってもいる。カナダやアメリカ各地からこの地に引き寄せられた…

■My Name Is... / チョウ・ヒョンレ (2006)■ 自主制作盤ならではの手触りがたまらなく愛おしい。私的な歌の内容やシンプルなサウンドは70年代前半の北アメリカあるいはカナダのSSWを彷彿とさせる。ジェフ・マルダーをフェイヴァリットに挙げているだけあって…

■Younger Girl / The Critters (1966)■丸みを帯びたその音の輪郭は よく晴れた春の日曜日の朝が似合う

good time music .com vol.Precious

昼間の熱気がほのかに残る夏の夜 いつもの公園を通り抜けていく 木製のドア いびつなテーブル 止まったままの時計 この場所で好きな音楽の話をした この場所で仕事の話もした 人生についても語り合った 調子に乗って酔い潰れたこともある たくさんの素敵な出…

■愛の秘密 / 寺尾紗穂 (2009)■ 骨董品のように大仰ではなく 生活の一部として長年使い込み 人生に溶け込んでいるお気に入りの和食器のように 舶来の匂いがまるでしない 和の食器 繊細でありながら大胆 且つ凛としている 2006年のデビューから年間1枚の均等な…

SSW

■Lark / Linda Lewis (1972)■ 溌剌にして快活、あるいは流麗 身体にまとわりついていた冷気が いつのまにか姿を消していくこの季節が似合う これだけ輪郭がはっきりしている声の持ち主なのに アルバム全体の印象は まるでパステルカラーで描かれたような 柔…

■Freedom Is / Peter Gallway (2008)■ 本国アメリカでは昨年にリリースされていたようだ。前作『リズム&ブルース』は日本盤がリリースされただけに今作はそのへんが残念ではある。とはいえ安定したピーター・ゴールウェイの音楽はいつものように僕を優しく…

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■Expressions / Turley Richards (1971)■ 大阪西区に実在した奇妙でしかしとても魅力的なその店では1枚50円のシングル盤コーナーがあった。輸入盤のみで盤を裸で段ボール箱に入れ、その扱いはかなり乱雑ではあったがここで見つけた貴重盤は数知れない。ター…

■TATSURO from NIAGARA (2009)■ 大滝詠一の『ナイアガラ・ムーン』とシュガーベイブの『ソングス』はエレックのオリジナル、コロムビア、CBSソニーのリイシュー盤というこの3枚を揃えることは僕自身の宿命だと思っていた。宿命なんて書くと大袈裟でとても自…