2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

■People / 小坂忠 (2001)■ このアルバムを冷静に、あるいは客観的に聴くことは僕には不可能だ。24歳の頃の想い出が詰まったかけがいのない1枚。「夢を聞かせて」を聴くたびに訪れる感動は今も色褪せない。優しく包み込むような音、ドラムとベースがまるでお…

■Having A Wonderful Time / Geoff Muldaur (1975)■ ブルーズ、ジャグバンドという下地をまずこしらえておき、ジェフ&マリア〜ベター・デイズを経たジェフ・マルダーが75年に発表した世紀の傑作アルバムだ。何年もかけてコトコトと熟成したかのような旨味、…

SSW

■Gorilla / James Taylor (1975)■ 黒々とした無骨なラジカセのプレイボタンを押すと、ばちんという音とともに、ボタンは本体へ深くゆっくりと沈み、よれたテープがヘッドをこする。 There's a symphony inside you... ジェイムス・テイラーの「ミュージック…

■Dusty in Memphis / Dusty Springfield (1969)■ アリサ・フランクリン、ウィルソン・ピケット、レイ・チャールズらの諸作に触れれば、プロデューサーであるジェリー・ウェクスラーの存在を避けて通ることはできない。ジェリー・ウェクスラーの訃報を聞いた…

■Over The Rainbow / Livingston Taylor (1973)■ 地面をしっかりと隙間なく濡らした雨降りのあとのように、ほのかに湿り気を帯びた柔らかいサウンド。その湿り気によってむせ返ることはない。太陽と雨の香りに包まれ、緩やかに、たおやかに僕の身体は揺れる…