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■The Heart Of Saturday Night / Tom Waits (1974)■ ある土曜日の夜 いつものように暇を持て余しているバー 僕はカウンターのいつもの席に座っていた 開けたばかりの赤ワインのボトルを 僕とマスターのグラスに注ぐ そのとき、トム・ウェイツの「土曜日の夜」…

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■One Summer Day / Peter Gallway (1976)■ リネン素材のシャツと 淡いベージュのコットンパンツに 履き慣れたトップサイダーのデッキシューズ それと愛用のアコースティックギター 白のワーゲンに乗り、フリーウェイを走る 日はまだ昇ったばかりで 空気が、…

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■Jackson Browne / Jackson Browne (1972)■ 7年前のことだ。 僕と友人B夫妻の3人は、阪急神戸線の塚口駅から歩いてすぐのところにあるバーのカウンターに腰を下ろしていた。8月のことだったと記憶している。僕の記憶力は相当いいほうだからおそらく間違いな…

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■Song For Juli / Jesse Colin Young (1973)■夜のうちに降り続いた雨をたっぷり染み込ませた世界は 朝の新鮮な光りを浴びて驚くほど新しくなる 窓を開け放ち 風を招く 通りにひげの長い一匹の猫がいた ジュリー、と呼んでみたが もちろん返事はない

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■Like A Seed / Kenny Rankin (1972)■ 優しい雨がよく似合う 雨のよく降るこの季節に 天に召されるなんて この人らしいじゃないか

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■Lark / Linda Lewis (1972)■ 溌剌にして快活、あるいは流麗 身体にまとわりついていた冷気が いつのまにか姿を消していくこの季節が似合う これだけ輪郭がはっきりしている声の持ち主なのに アルバム全体の印象は まるでパステルカラーで描かれたような 柔…

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■Expressions / Turley Richards (1971)■ 大阪西区に実在した奇妙でしかしとても魅力的なその店では1枚50円のシングル盤コーナーがあった。輸入盤のみで盤を裸で段ボール箱に入れ、その扱いはかなり乱雑ではあったがここで見つけた貴重盤は数知れない。ター…

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■Survivor / Barry Mann (1975)■ 音楽に、ロックに対して真摯な眼差し アラン・フリードやジョンやポール、エルヴィス、 単なる懐古趣味で彼らの名前を出すわけがなかろう 1975年、その時代に流されず 警鐘を鳴らしていたわけだ 「生き残りなんだ、俺こそが…

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■Judee Sill / Judee Sill (1971)■ 薄い灰色に塗り固められた空 窓からぼんやりと外を眺めると 音のない雨が地面を優しく撫でている カップいっぱいにそそいだコーヒーと 小さめのシナモンドーナツをほおばり モノトーンの雨が似合う彼女の歌を聴きながら あ…

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■In The Land Of Dreams / Stanley Smith (2002)■ 乾いた緑と土の香り 琥珀色の酒を啜りながら ジーンズのポケットからくしゃくしゃになった 煙草を取り出し火をつける 夢の町で

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■Peter Gallway / Peter Gallway (1972)■ 結局、僕はこのアルバムを年1回はここに記しておかねば 気が済まないということがやっとわかった all time favorite songs そう言うしかない 生涯抜け出せないであろう1枚だから 今日は眠る前に聴いておこう そうす…

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■High Winds White Sky / Bruce Cockburn (1971)■耳をそばだててみると たしかに聞こえる しんしんしん 空は白い 風は舞う 雪の世界で聞こえる しんしんしん

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■If You're Lonely / Eric Justin Kaz (1972)■ 孤独、絶望、嘆き、諦め、苦しみ、悩み、そして僅かな希望と救いを求める。 エリック・カズは自身が紡ぎ出す流麗なメロディーに乗せて淡々と、且つ冷静に、歌う。98年、CD化になるまで僕は歌詞カードのないLPで…

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■Minnows / Marc Benno (1971)■ 淡い水色の朝霧に包まれた美しいフラニーにいつも心が奪われる。ボビー・ウーマックのしなやかなギターも昔の恋人フラニーに焦がれているかのよう。マーク・ベノの『雑魚』の冒頭、僕は聴く度にそんなことを思う。 素朴にして…

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■Bleecker Street Greenwich Village in the 60's (1999)■ アメリカ音楽史に限られたことではないが、その土地その土地によって生まれる音楽の面白さというものがある。地域性、文化、気候などでその特色は様々だ。広大なアメリカ大陸だとそれはなおさらのこ…

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■At Home / Lambert & Nuttycombe (1970)■ 例えば10月のある日曜日の朝、乾いた空気をゆっくりと肺に送り込んでみる。点てたコーヒーがあればなお良しだ。木造の古い小屋のような家屋は、歩くたびに床の軋む音がする。窓から空を見上げると、肉眼では確認で…

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■Gorilla / James Taylor (1975)■ 黒々とした無骨なラジカセのプレイボタンを押すと、ばちんという音とともに、ボタンは本体へ深くゆっくりと沈み、よれたテープがヘッドをこする。 There's a symphony inside you... ジェイムス・テイラーの「ミュージック…

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■Rhythm & Blues / Peter Gallway (2007)■ 「ミック・ジャガーが50歳で歌っていると思うか?」 映画『あの頃、ペニー・レインと』のワンシーン、新任の敏腕マネジャーがバンドメンバーに売れるためには今がその時と言わんばかりの高揚ぶりで言い放った台詞だ…

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■Sweet Baby James / James Taylor (1970)■ 12月の最初の日は雪が降り積もり ストックブリッジからボストンに向かう高速道路も真っ白だった 霜が降りたせいでバークシャーの丘はまるで夢のように美しかった ぼくはたった10マイル進んだだけで先はまだまだ長…