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■Tokyo Sessions 1989 / Peter Gallway (2010)■
21年前の東京の記録は
色褪せることなくどこまでも瑞々しい
リズムは洒脱に跳ねる
そして、ことばが紡がれていく
東京FMのスタジオで放送用に行われた、ピーター・ゴールウェイと佐橋佳幸をはじめとする日本人ミュージシャンによる伝説のセッション。その高い演奏力と歌がブレンドされていくさまは、ここでつらつらと書くことよりも、ぜひ体感してほしい。
音質の良さにも驚いた。リマスタリング作業もさることながら、21年前から保存状態がよかったのだろうと思う。リリースを前提としない音源であるから、こういう類いのものは多少なりとも劣化していたり、そもそも音源が残されていないこともあるだろう。まさにこれは快挙だ。ここに刻まれた素晴らしい音楽に、僕はおもちゃ箱を開けた子供のようにはしゃいでいる。
DVDは89年の東京公演が映し出される。これも当時、記録として残しておいたものだというから、凝ったカメラワークなどなく、ほぼ固定の映像だ。画質も決して良好というわけではない。しかし、むしろこのシンプルさが臨場感を煽るのだ。
そう、ピーター・ゴールウェイにはシンプルということばがよく似合う。
シンプルにして真実、あるいは誠実。