■The Heart Of Saturday Night / Tom Waits (1974)■
ある土曜日の夜
いつものように暇を持て余しているバー
僕はカウンターのいつもの席に座っていた
開けたばかりの赤ワインのボトルを
僕とマスターのグラスに注ぐ
そのとき、トム・ウェイツの「土曜日の夜」が
店内を優しく包み込むように鳴り始めた
「せっかくだから乾杯しよう」
「乾杯って何に?」
「今日は土曜日の夜だよ、それにほら」
僕は天井を指差した
「ほんとだな、よし」
「乾杯、ハート・オブ・サタデー・ナイト」
「乾杯」
外はそぼ降る雨だった
どうしてだろう
土曜日の夜は雨が似合う