2008-01-01から1年間の記事一覧

2008年が暮れていく夜、酔いどれた堕天使たちが全身を震わせグッドタイム・ミュージックを奏でる。手を伸ばせば触れられる距離、音の塊に圧倒されつつも身体が揺らめく。グルーヴィーだ。この上なく心地良い時間が流れる。「枯葉のブルース」、「ふらいと」…

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■Peter Gallway / Peter Gallway (1972)■ 結局、僕はこのアルバムを年1回はここに記しておかねば 気が済まないということがやっとわかった all time favorite songs そう言うしかない 生涯抜け出せないであろう1枚だから 今日は眠る前に聴いておこう そうす…

■2008年間ベスト10■ Rocking Chair Girl / 笹倉慎介 風はびゅうびゅう / 寺尾紗穂 おかえりなさい / ハンバートハンバート まっくらやみのにらめっこ / ハンバートハンバート Get Way Back A Tribute To Percy Mayfield / Amos Garrett 細野晴臣ストレンジブ…

■Live〜Moments From This Theatre / Dan Penn & Spooner Oldham (1999)■ 熟成された苦味と渋味 それでいてほのかな甘味を感じる 聴くたびに南部の底力を感じずにはいられない

■Bookends / Simon & Garfunkel (1968)■ 冬の朝、張りつめた空気を吸い込むと鼻の奥がつんと痛くなる。吐く息はいつまでも白く、耳と鼻と頬が赤く染まる。 昨晩、ある店で「アメリカ」が流れていた。誰が歌っているのだろうか。オリジナルに比肩するほど凛と…

■John Barleycorn Must Die / Traffic (1970)■ 発作的にトラフィックの『ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ』を聴きたくなるときがある。ドライでヘヴィー、あるいはクールかつグルーヴィー。冒頭のインスト曲「グラッド」でのウィンウッドの転がるピア…

■The Band / The Band (1969)■ どんなにふさぎ込んでいたとしても、どんなに疲れきった身体でも、焦茶色のジャケットに触れるだけでここに刻まれた音のほとんどを瞬時に思い出せる。 加えて、古びた木造の小屋で聴いているかのような香ばしい木の匂いを想起…

■On The Track / Leon Redbone (1975)■ セピア色したレイジーボーンズ 飄々と世間をすり抜け 葉巻をふかす

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■High Winds White Sky / Bruce Cockburn (1971)■耳をそばだててみると たしかに聞こえる しんしんしん 空は白い 風は舞う 雪の世界で聞こえる しんしんしん

■Scholi Song Book vol.1 / スチョリ (2008)■ 雨の夜に聴いた。だからというわけではないが、雨の匂いがする音に聴こえる。 優しく、そぼ降る雨。気付けば地面が黒く塗られていて、街を行く人々はようやく傘を広げだした。秋の夜の雨はどこか寂しく、どこか…

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■If You're Lonely / Eric Justin Kaz (1972)■ 孤独、絶望、嘆き、諦め、苦しみ、悩み、そして僅かな希望と救いを求める。 エリック・カズは自身が紡ぎ出す流麗なメロディーに乗せて淡々と、且つ冷静に、歌う。98年、CD化になるまで僕は歌詞カードのないLPで…

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■Minnows / Marc Benno (1971)■ 淡い水色の朝霧に包まれた美しいフラニーにいつも心が奪われる。ボビー・ウーマックのしなやかなギターも昔の恋人フラニーに焦がれているかのよう。マーク・ベノの『雑魚』の冒頭、僕は聴く度にそんなことを思う。 素朴にして…

■Exit Strategy Of The Soul / Ron Sexsmith (2008)■ ロン・セクスミスのアルバムにハズレ無し。これは僕の持論だが。95年のデビュー以来、アルバムを買い続けている。前作『タイム・ビーイング』も相当素晴らしい内容だったが、この新作は前作を凌ぐ。歌を…

■The Second Album / Borderline (1974)■ 『スウィート・ドリームス・アンド・クワイエット・ディザイアーズ』を73年に発表しただけで、シーンから遠ざかったボーダーライン。自分たちを揶揄したかのようなバンド名に聞こえなくもない。当時のカントリー・ロ…

■Homemade Songs / Bobby Charles (2008)■ 湖畔で愛犬と戯れていたボビー・チャールズも気付けばもう70歳である。キャリアは実に53年。だが、発表したアルバムは編集盤を除けば僅か6枚。キャリアと作品数がこうも反比例するアーティストも珍しいものだ。それ…

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■Bleecker Street Greenwich Village in the 60's (1999)■ アメリカ音楽史に限られたことではないが、その土地その土地によって生まれる音楽の面白さというものがある。地域性、文化、気候などでその特色は様々だ。広大なアメリカ大陸だとそれはなおさらのこ…

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■At Home / Lambert & Nuttycombe (1970)■ 例えば10月のある日曜日の朝、乾いた空気をゆっくりと肺に送り込んでみる。点てたコーヒーがあればなお良しだ。木造の古い小屋のような家屋は、歩くたびに床の軋む音がする。窓から空を見上げると、肉眼では確認で…

■People / 小坂忠 (2001)■ このアルバムを冷静に、あるいは客観的に聴くことは僕には不可能だ。24歳の頃の想い出が詰まったかけがいのない1枚。「夢を聞かせて」を聴くたびに訪れる感動は今も色褪せない。優しく包み込むような音、ドラムとベースがまるでお…

■Having A Wonderful Time / Geoff Muldaur (1975)■ ブルーズ、ジャグバンドという下地をまずこしらえておき、ジェフ&マリア〜ベター・デイズを経たジェフ・マルダーが75年に発表した世紀の傑作アルバムだ。何年もかけてコトコトと熟成したかのような旨味、…

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■Gorilla / James Taylor (1975)■ 黒々とした無骨なラジカセのプレイボタンを押すと、ばちんという音とともに、ボタンは本体へ深くゆっくりと沈み、よれたテープがヘッドをこする。 There's a symphony inside you... ジェイムス・テイラーの「ミュージック…

■Dusty in Memphis / Dusty Springfield (1969)■ アリサ・フランクリン、ウィルソン・ピケット、レイ・チャールズらの諸作に触れれば、プロデューサーであるジェリー・ウェクスラーの存在を避けて通ることはできない。ジェリー・ウェクスラーの訃報を聞いた…

■Over The Rainbow / Livingston Taylor (1973)■ 地面をしっかりと隙間なく濡らした雨降りのあとのように、ほのかに湿り気を帯びた柔らかいサウンド。その湿り気によってむせ返ることはない。太陽と雨の香りに包まれ、緩やかに、たおやかに僕の身体は揺れる…

■Natural Progressions / Bernie Leadon & Michael Georgiades (1977)■ 夏の終わり、午後4時に聴くのがいい 橙色に染まり始めようとする空を見上げ 物思いに耽る

■Silver / Silver (1976)■ 音楽の真実。 夏の盛りが少し衰え出す頃、思わず手が伸びる1枚だ。ビッグ・ヒットを放ったわけでも、その後のシーンで大きく活躍するスターが在籍していたわけでもない。70年代のロック・シーンに星の数ほど存在したマイナーなグル…

■Summer in the City / The Lovin' Spoonful (1967)■ Hot town, Summer in the City, back o' my neck gettin' dirt and gritty. Been down, isn't it a pity; Doesn't seem to be a shadow in the city. ジリジリと 照りつける太陽のせいで 苛立つ街の雑踏 …

■rare tracks Series Good Times Roll Vol.1 (2005)■ 公式非公式音源とでも言うべきレア音源集。当時のライヴ会場のみで販売されていたもので、録音は2005年4月、ほぼ一発録りによる5曲を収録。既存楽曲にアレンジを加えたものと未発表音源を収録したものだ…

■Tarzana Kid / John Sebastian (1974)■ セバスチャン・ファンの多くは彼のベストとして挙げる人気盤で、僕もそのひとりである。エイモス参加アルバム、というだけでは補いきれないほど魅力に溢れている。セバスチャンの知性を西海岸の気候にさらし、太陽の…

■Stand By Your Man / Candi Staton (1970)■ キャンディ・ステイトンの『スタンド・バイ・ユア・マン』に針を落とすとき、あのレコード店を思い出す。東心斎橋にあったACE RECORD。ブルース、ソウル・ファンには非常に有名な店だったはずだ。中途半端に物色…

■まっくらやみのにらめっこ / ハンバートハンバート (2008)■ 世間に媚びへつらうことをやめ 潔さと虚無感が同居している 加えて 初期の頃の彼らに感じた あのおどろおどろしさ 例えば 日本のおとぎ話にあるような 新境地開拓とか そういう安易な言葉で片付け…

■Maria Muldaur / Maria Muldaur (1973)■ 西、東、南、とアメリカ各地から一流のプレイヤーがこれだけ参加したアルバムというのも珍しい。カントリー、ジャズ、スウィングから同時期のSSW作品など、基盤となるのは選曲の妙味とバックアップするミュージシャ…