New Arrival

■みやこ音楽 / V.A. (2006)■ 和歌山で生まれ育ち、その後大阪へ出てきた僕にとって京都はそれほど縁がある土地ではない。兄が学生時代を京都で過ごしていたから一人暮らしのマンションへよく行ったものだが、京都という街にいまひとつピンと来なかった。それ…

■グッバイラヴタウン / 風博士 (2008)■ 僕たちを含めて10数人の客席 中崎町のR cafe 2階の小さな空間に 大柄の風博士が現れた 白いギターを抱えて 透き通る歌 小粋に跳ねるギター あるいは洒脱なコード進行 その全てを全身で受け止める 街は祭りの夜 ざわざ…

■日暮しグルーヴィアン / 風博士 (2009)■ 風博士という名前はずいぶん前から僕の脳に刻み込まれていた。しかしそれは「風博士」という字面だけで彼の演奏する音楽のことは全く気にもかけていなかった。少しのきっかけと、偶然(あるいは必然)の出会いまでに…

■Beneath the Buttermilk Sky / 中村まり (2009)■ 土臭く香ばしい音楽が灰色の空に溶けていく これはいつか見た風景 懐かしい匂いがする そんな錯覚におそわれる 柔らかいアコースティックギターの音色 瑞々しさを含んだ歌声はどこかくすんでいる まるでバタ…

■愛の秘密 / 寺尾紗穂 (2009)■ 骨董品のように大仰ではなく 生活の一部として長年使い込み 人生に溶け込んでいるお気に入りの和食器のように 舶来の匂いがまるでしない 和の食器 繊細でありながら大胆 且つ凛としている 2006年のデビューから年間1枚の均等な…

■Freedom Is / Peter Gallway (2008)■ 本国アメリカでは昨年にリリースされていたようだ。前作『リズム&ブルース』は日本盤がリリースされただけに今作はそのへんが残念ではある。とはいえ安定したピーター・ゴールウェイの音楽はいつものように僕を優しく…

■TATSURO from NIAGARA (2009)■ 大滝詠一の『ナイアガラ・ムーン』とシュガーベイブの『ソングス』はエレックのオリジナル、コロムビア、CBSソニーのリイシュー盤というこの3枚を揃えることは僕自身の宿命だと思っていた。宿命なんて書くと大袈裟でとても自…

■Exit Strategy Of The Soul / Ron Sexsmith (2008)■ ロン・セクスミスのアルバムにハズレ無し。これは僕の持論だが。95年のデビュー以来、アルバムを買い続けている。前作『タイム・ビーイング』も相当素晴らしい内容だったが、この新作は前作を凌ぐ。歌を…

■まっくらやみのにらめっこ / ハンバートハンバート (2008)■ 世間に媚びへつらうことをやめ 潔さと虚無感が同居している 加えて 初期の頃の彼らに感じた あのおどろおどろしさ 例えば 日本のおとぎ話にあるような 新境地開拓とか そういう安易な言葉で片付け…

「赤い傘ツアー」にあわせたかのような雨模様の中、数ヶ月前まで住んでいた街に訪れた。いつも煙草を買っていたコンビニに立ち寄り、cafe marthaへ向かうと、高田渡の写真展が催されていた。高田渡の他にも村上律、遠藤賢司、松田幸一、なぎら健壱、永井よう…

■Rocking Chair Girl / 笹倉慎介 (2008)■ 模倣ではなく、伝承。 笹倉慎介。27歳。静岡出身ながら、70年代のあの空気に憧れ埼玉県入間市の米軍ハウスに移住し、その自宅にスタジオを作ったという。そこでレコーディングされたのがデビュー作『ロッキンチェア…