bannai452008-12-24


■2008年間ベスト10■

  1. Rocking Chair Girl / 笹倉慎介
  2. 風はびゅうびゅう / 寺尾紗穂
  3. おかえりなさい / ハンバートハンバート
  4. まっくらやみのにらめっこ / ハンバートハンバート
  5. Get Way Back A Tribute To Percy Mayfield / Amos Garrett
  6. 細野晴臣ストレンジブック / V.A.
  7. Exit Strategy Of The Soul / Ron Sexsmith
  8. Homemade Songs / Bobby Charles
  9. キム・スチョリ / キム・スチョリ
  10. さとうりょうせい No.1 / 佐藤良成


2008年最大の収穫は、笹倉慎介の登場に他ならない。本物志向の若手をこよなく愛する僕としてはとても嬉しい。70年代の香りを漂わせていることは誰の耳にも明らかだ。飄々としたステージアクトも印象的だったし、楽曲の良さ、そこはかとないグルーヴ。もちろん、10点満点。



2位は寺尾紗穂。前作よりもシンプルな楽器編成で、彼女の言葉が目の前に現れるというある種の幻覚症状を引き起こすほどの傑作。


 
3、4、10位は下半期、僕の周辺で盛り上がっているハンバート絡み。新譜となれば『まっくらやみのにらめっこ』だが、前作『道はつづく』からのシングルカット「おかえりなさい」(2007年発売)を今年購入。彼らの最高傑作と呼ぶに相応しい名曲。カップリングの「ブラザー軒」(高田渡)のカバーも秀逸だし、オリジナルの「さがしもの」は聴く側が照れるほど彼らの愛に溢れている。

佐藤良成のソロ作品『さとうりょうせい No.1』は一般的にあまり出回っていないが、笹倉慎介のライヴを観た阿波座のmarthaにぽつんと置かれていたものを購入。ハンバート以上に彼の本質を捉えていて、ニール・ヤングとの共通点を見出した気がする。


  
5位のエイモス・ギャレット、8位のボビー・チャールズは燻した大人のグッドタイム・ミュージックそのもので、還暦越えの貫禄と余裕を痛感できる。7位のロン・セクスミスもいずれそういうアーティストのひとりになるだろう。



6位は細野晴臣のトリビュート盤の2作目。ベテラン勢よりも若手の活躍が目立ち、これからの音楽に希望を与えてくれる内容だった。キセルの「四面道歌」が特に秀逸。



スチョリは配信音源も発表したが、素朴で等身大のこのドリームズヴィル盤に軍配が上がる(ヒゲのスライドギターにも要注意)。配信よりも現物として来年は何か発表してほしいものだ。


今年は熱心に新譜を買うよりも、手持ちの旧譜たちとどうやって付き合っていくか、ということをよく考えた1年でもあった。
年間ベスト10と言っておきながら、一部今年発売ではないものも含めている。少々偏食気味のランキングではあるが、僕らしいと言えば僕らしい、か。来年もこんなスタンスかと思われますが、どうぞご贔屓に。