bannai452008-11-06

■If You're Lonely / Eric Justin Kaz (1972)■
孤独、絶望、嘆き、諦め、苦しみ、悩み、そして僅かな希望と救いを求める。
エリック・カズは自身が紡ぎ出す流麗なメロディーに乗せて淡々と、且つ冷静に、歌う。98年、CD化になるまで僕は歌詞カードのないLPで何度も何度も聴いていた。その素晴らしいメロディーの数々に魅了され、歌詞カードがないことを理由に歌の内容を軽視していた。対訳を読みながら聴く「クルーエル・ウィンド」は、文字通り冷酷な風にさらわれた気分になり、ポール・ディッカーのスライド・ギターはこれまで以上に心に刺さる。

絶望と僅かな希望。まるでカメラのシャッターを押すように、1972年のアメリカ、その瞬間を写している。