■Over The Rainbow / Livingston Taylor (1973)■
地面をしっかりと隙間なく濡らした雨降りのあとのように、ほのかに湿り気を帯びた柔らかいサウンド。その湿り気によってむせ返ることはない。太陽と雨の香りに包まれ、緩やかに、たおやかに僕の身体は揺れる。目を閉じれば七色の虹が丘の向こうに霞んで見える。ほどなくして一羽の青い鳥がその虹の上を越えていくのも見えた。
「明日はきっと晴れるさ」
そう呟きながら羽ばたいていく彼の姿は優しくもどこか雄々しい。
虹の彼方に、僕の明日があるはずだ。