bannai452008-06-15


■Kim Suchol / キム・スチョリ (2008)■
ラリーパパ時代、「黄金のうたたね」という楽曲でキム・スチョリが「続きは夢で見ようか」と歌った一節が忘れられなかった。

待ち望む、すなわち待望の、キム・スチョリのソロ音源『キム・スチョリ』が手元に届き、僕は今とても気分がいい。スタジオでの一発録りによる全4曲は穏やかで緩やか、あるいは繊細。録音時期は去年4月。アコースティックギターとピアノの弾き語りにスライドギター。音数の少なさ、この世界観はデモ録音とも呼べそうだが肩肘張らずに奏でる音楽というものはやはり心地良い。

ジェイムス・テイラーのカバーで有名なフォスターの「オー、スザンナ」は『スウィート・ベイビー・ジェイムス』のトラックと入れ替えても遜色無いほどの仕上がりだ。バンド時代の楽曲「夢を見ないかい?」の再演は甘みを増しているし、ソロ以降の楽曲である「シロツメクサ」と「月の夜」もスルメのように聴けば聴くほど味が出る。あまり触れる気はないが(笑)全曲にスライドギターで参加しているオッチャンが粋なプレイを披露してくれている。内ジャケットの笑顔が憎たらしい(笑)。

入手方法は、ライヴ会場かdreamsvilleの通販サイトのみ(http://www.dreamsville.jp/www/store/store_rallypapa.htm)。プレス数も300枚限定ということである。お早めに。ファンとしては今年中にチョウ・ヒョンレとキム・スチョリのフルアルバムが聴きたいところだ。『ナイアガラ・ムーン』と『トロピカル・ダンディ』がリリースされた、あの1975年のように。