bannai452007-09-11

90年代後半の僕の音楽生活に多大なる影響を与えてくれたのはdreamsville records。このレーベルの存在感たるや尋常でない。レーベル自体がそれこそビートルズやらストーンズみたいなビッグアーティストの如く僕の心を鷲掴みにしてくれたもので。

スタートは98年。11月25日にハース・マルティネスの『ミスター・ドリームズヴィル〜夢の旅人』をリリース。消息不明だと噂されていたハースの復活作、しかも捨て曲ナシの感動的超名盤。ハースを筆頭にピーター・ゴールウェイ、ケニー・ヴァンス、ジム・ウィーダーなんかの新作、ラリーパパもここから羽ばたいたし、一方で世間から埋もれてしまった幻の名盤たちの復刻。個人的にはバリー・マンの『レイ・イット・オール・アウト』の再発は涙モノでした。

このレーベルの特徴は70年代のベアズヴィル・レコードのような木目調の匂いを醸し出すような、懐かしさと新鮮さを併せ持った作品を発表してくれるところと、もうひとつ。良心的な中古レコ屋のような空気もあって。憧れの、あのパイド・パイパー・ハウスはそういう場所だったのかな、とか妄想も膨らんだり。

ここ数年は新譜も復刻も目立たなくなってきてはいたけれど、ここが存在するだけでなんだか安心だったからサイトの閉鎖はすごくすごく残念。レーベルの活動が終焉を迎えた、ということだと思う。

9年前、ハースの新作を嬉々として買ったことを昨日のことのように思い出します。久々にピーター・ゴールウェイを来日させてくれて素晴らしいパフォーマンスを披露してくれたこと、ジョン・サイモンは大阪公演で阪神タイガースの帽子をかぶって登場するシャレ心のわかっている人だと教えてくれたこと、あーいい思い出がたくさんだ。惜しむらくは出る出るとインフォメーションされてきたジェイク・ジェイコブスのソロ作を届けてくれなかったこと。あー残念だ。

dreamsville recordsは、日本が世界の音楽オタクに胸を張って自慢できる最良のインディペンデント・レーベルです。