bannai452007-09-12

昨日、dreamsville recordsのことを書いたことでこのレーベルに対する愛情と尊敬の念を自ら再認識した次第。公式サイトが閉鎖されたとなると稚拙ながらもカタログ的なものを僕なりにここへ残そうと思います。僕なりに、なので詳細な各曲のクレジットやお固いレビューは避けるつもりで。ごく私的なカタログとして、ということでご了承ください。タイトルは「我が心のdreamsville」。


■ミスター・ドリームズヴィル〜夢の旅人 / Hirth Martinez (YDCD-0001)■

ミスター・ドリームズヴィル ?夢の旅人

ミスター・ドリームズヴィル ?夢の旅人

現在は吉本興業の劇場となっている場所は、かつてツタヤのセルのみのショップで内装もいわゆるツタヤカラーを排したハイラインなイメージの店舗。例えるならHMVとかVirgin寄り。蛇足ながら当時のツタヤで働いていたKさんはその後美容師になり、今では僕の髪を月イチのペースで切ってもらっている。あの頃はお互いの存在なんて知る由もなかったのに数年後に偶然の出会いを果たすんだから世間は狭いし、オモシロい。

さて、その隣りのラジオ局で働いていた98年当時、あの、幻の、伝説のシンガーソングライター、ハース・マルティネスが21年ぶりにアルバムを発表するという情報を入手し、発売日である11月25日に仕事の合間をぬってすぐ隣りのツタヤに買いに走った。『ミスター・ドリームズヴィル〜夢の旅人』(原題:アイム・ノット・ライク・アイ・ワズ・ビフォー)。レーベルのスタートに相応しいタイトルで胸が高鳴る。そしてジャケットは矢吹伸彦氏。75年のデビュー盤『ハース・フロム・アース』の続編ともいうべき秀逸なイラストジャケ、冒頭は「オールド・フレンズ」とこれまた古くからのファンを喜ばせてくれるようなタイトル。安心のプロデュースはジョン・サイモン。昨日も書いたが捨て曲が無い。当時入り浸っていた古着屋Desperadoでもこのアルバムは頻繁に流れていた。ハースの魅力を語り合った日もあったっけ。今ではプリシャスでもよく流れる必須アイテム。大切な場所には存在してしまうアルバム、ということなのだろう。

「スローリー」はこのアルバムの約半年前、98年6月にリリースされたテレサ・ブライトのアルバム『クロッシング・ザ・ブルー』にも収録されている。しかもハース本人もレコーディングに参加しギターとテレサと絶妙なデュエットを聴かせてくれているのでぜひ御一聴のほど。ギターソロも絶品。

クロッシング・ザ・ブルー

クロッシング・ザ・ブルー


『ミスター・ドリームズヴィル〜夢の旅人』の歌詞カードの最後には今後のdreamsvilleのリリース情報、ホームページ上での購入及び通信販売のインフォメーションが記載されている。つまり店頭販売、ネット販売、そして通信販売。レコ屋の販売スタイルの三本柱を構えての運営。特に通販にこだわる姿勢はこのレーベルのプライドが窺える。新旧織り交ぜるところがdreamsvilleなのだ。これぞ温故知新。

ハースの復活作を皮切りにその後のリリースラッシュは凄まじいもので良盤名盤珍盤から涙々の再発盤まで、僕の周辺(3,4人程度ながら)は空前のdreamsville recordsブーム到来に鼻息が荒くなった。