good time music .com 49号

bannai452008-01-11

■名盤探検隊シリーズ■
CD世代にとって、ワーナーの復刻シリーズ「名盤探検隊」シリーズは凄まじいラインアップだった。エリック・カズ、ドニー・フリッツ、ロジャー・ティリソン、ポール・ウィリアムス、ジョー・ママ、ダニー・コーチマー、グラム・パーソンズ、ロッド・テイラー、ジェシ・デイヴィス、フレッド・ニールetc...。ワーナー、アトランティック系のアーティスト及びグループの名盤貴重盤が通常のCDショップに行けば通常の価格で手に入れることができる、夢の連続だった。

98年3月25日に第1回発売がスタート。エリック・カズのソロ2作、ジェシ・デイヴィスの『ウルル』、ジョー・ママの2枚、リヴィングストン・テイラー、ケイト・テイラー、の7枚が世界初CD化だった。日本企画のジョン・セバスチャンのベスト盤も発売されている。発売にあわせて『レコスケくん』でおなじみの本秀康氏の漫画付きのフリーペーパー「名盤探検隊通信ウルル」が発行されるのも楽しみのひとつだった。シリーズ・スタート当初は毎月8〜10数枚の発売、バイト代のほとんどを費やしていたと思う。

今年で10年が経つが、やはり当時の興奮は今でも忘れられない。新譜を買う感覚で旧譜を買い揃えることができたのだから。一部の人気盤はその後も紙ジャケで復刻されたりもしているが、10年も経つと店頭在庫が激減しているし、アマゾンで調べてみると廃盤のものは値が上がっているものもあった。ということは結局中古レコード店で血眼になって探す、という状況が再びやってきてしまうわけだ。これでは同じことの繰り返しとなる。僕よりも若い世代の音楽ファンがあの頃の僕たちのように嬉々としてCDショップに駆け込む姿を見てみたい。

「ウルル」を読みながら、オハイオ・ノックスを聴きながら、もの思いに耽る。