bannai452009-03-19

■Connected / 小坂忠 (2009)■
いいアルバムというのは冒頭で決まる。
例えばビートルズの『リヴォルヴァー』の1曲目、「タックスマン」の「ワン、トゥー、スリー、フォー」というカウントからイントロへ流れるあの瞬間。
例えばザ・バンドの『ビッグ・ピンク』における「怒りの涙」のインパクト。
あるいはキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』における「21世紀のスキッツォイドマン」も然り。名盤と呼ばれるものには確固とした存在感と理由がある。


小坂忠の新作『コネクテッド』の冒頭「Hard to say、偶然と必然の間」は前述のアルバム群と比肩するほど、僕の心と身体を鷲掴みしてくる。

芯のある丸いビート、たゆたうサウンド、抑制のきいたヴォーカル。まるで70年代のハイ・サウンドをそのまま真空パックしていたかのようなこの世界観がたまらない。


そう、たまらないのだ。
この歌、この詞、このサウンド、このリズム。もう降参だ。身体が溶けていく。