bannai452007-09-16

今日も長文になる。なにせピーター・ゴールウェイのことだから...。

99年12月、東京と神戸のみで行われた「ミュージック・フロム・グリニッチ・ヴィレッジ」の主役は3人。ラリー・ジョン・マクナリー、ジェイク・ジェイコブス、そしてピーター・ゴールウェイ。タイトル通りニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジの音楽をそのまま真空パックしたかのような厳かな一夜。「ドリムーズヴィル一派」とも呼べるメンツがそろい踏みし、それぞれのソロアクトを披露。

今は無き神戸チキンジョージ。まず最初にステージに現れたのはレーベルプロデューサーである長門芳郎氏。彼らの簡単な紹介をしたあと、流暢な英語で「Larry John MacNally From New York City!!」と叫ぶ氏。ステージに現れるLarry。弾き語りによる新旧織り交ぜての全11曲。知的で繊細なラリー・ジョン・マクナリーらしいライヴアクト。ラストの「リアル・グッド・シング」は嬉しかった。

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2番手はジェイク・ジェイコブス。古くはザ・マジシャンズ、バンキー&ジェイク、ジェイク&ザ・ファミリー・ジュエルズで熱心な音楽ファンにはおなじみの彼を生で観ることができるのもdreamsvilleのなせる技。飄々としたキャラクターで実に楽しいステージ。全10曲を披露。なかでも「シシーズ・ベイビー」には感激した。

Bunky & Jake

Bunky & Jake


ラストはピーター・ゴールウェイ。出たばかりの新作からの選曲、及び90年代以降の代表曲「イエス・イエス・イエス」「スモール・グッド・シング」などが中心。僕個人としては70年代の超名曲「カム・オン・イン」がどうしても聴きたかったのだがそれはファンのエゴというもので。素の美学。ありのままの、現在進行形のピーター・ゴールウェイを観てくれ、という意思表示にも取れる選曲に彼の美学、すなわち素の美学を教えられた。ステージの空気は97年のライヴ盤『ア・ナイト・イン・タイム』に近く、インテリジェンスでイノセント。「ワン・カインド・ワード」はラジカセにオケを入れておいたものを流しながらアコギで歌う「サイコキラー」なアレンジ。ニューヨークという場所はこういうところでも繋がっているのだと感心した。

Night in Time: Live

Night in Time: Live


アンコールは3人で奏でる「ユー・エイント・ゴーイン・ノーホエア」で始まり、会場は大盛り上がり。リードはジェイク。最後の最後は「ライク・ア・ローリング・ストーン」をピーター・ゴールウェイがリードをとり大団円。その昔、ザ・ストレンジャーズ時代の唯一のシングル「ランド・オブ・ミュージック」はこの「ライク・ア・ローリング・ストーン」に影響を受けて作ったというだけあってこの日のラストを飾るに相応しい名曲。


ライヴ終了後、僕はピーター・ゴールウェイと一緒に写真を撮ってもらい、あろうことかレーベルプロデューサーである長門さんにも無理を言って一緒に撮ってもらった。当日のライヴには上柴とおる氏も来られていていたので彼にもお願いしての3ショット。上柴氏とは当時ラジオ番組をご一緒させていただいていたから実現した奇跡の一枚。そしてなんとシャッターを切ったのはラリー・ジョン・マクナリー!!!「何故に僕が...」という表情を浮かべていたのが忘れられない。

8年も前のことなのに鮮明に記憶している。「我が心のdreamsville」を書き始めて、記憶の糸をたぐり寄せ、久々に聴くLPやCDを引っ張り出している。最近の僕はあの頃のような音楽に対する情熱を本格的に取り戻そうとしているのかもしれない。