bannai452007-09-19

■続・ブリーカー・ストリートの青春 / Mark Sebastian (YDCD-0017)■


中古レコ屋で物色していてベル&セバスチャンで手が止まる人はベル&セバスチャンのファンもしくはジョン・セバスチャンのファンである。

魔法を信じるかい?

魔法を信じるかい?

あまりにも素敵すぎるタイトルチューンは60年代の名曲ならぬ、20世紀屈指の名曲。一体どれくらいの人間がこの魔法を信じているのか。信じる者は救われる、ではないが僕は何度も彼らに救われてきたように思う。音楽の魅力ってこんなにあるんだよ、とあのメガネ顔がニコニコしながら話してくれているような。

セバスチャンと言えばジョン・セバスチャンなのであるが、もう一人のセバスチャンもファンにはおなじみだ。ジョンの実弟マークその人である。67年の大ヒット「サマー・イン・ザ・シティ」をラヴィン・スプーンフルのメンバーと共作した人物。67年当時はまだ14歳という若さで弟が曲を作り、兄が歌い、結果全米No.1を獲得。しかも3週連続のNo.1を記録。

Summer in the City

Summer in the City


その後兄のサポートを受けて70年代にSSWとしてデビュー、というのが常套手段だったかもしれないが、マーク・セバスチャンの場合はそういうわけでなく、「サマー・イン・ザ・シティ」から32年後の1999年にこれこそ遅咲きのデビュー、あるいは超大器晩成型のオールドルーキーが満を持してのデビュー。

続ブリーカー・ストリートの青春

続ブリーカー・ストリートの青春

原題は『ブリーカー・ストリート』。ニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジの通りの名前としてあまりにも有名だ。60年代のこの界隈は僕の「タイムスリップ願望ベスト3」に入る。それはさておき、このアルバムがリリースされるとき僕はてっきり「サマー・イン・ザ・シティ」を吹き込んでいるのかと思ったがこれが見事に的外れ。それよりも兄ジョンや旧友たち(ヴァン・ダイク・パークス、ジョン・リンド etc)とのセッションに興ずる。

ラストの「アンマリー」の詞が「魔法を信じるかい」のアンサーソングのようで非常に興味深い。こう思うのも"魔法を信じる会"のメンバーだから仕方あるまい。