bannai452007-09-30

■Richland Woman Blues / Maria Muldaur (YDCD-0051)■

「真夜中のオアシス」から27年。フェロモンむんむんだったマリア・マルダーも年を重ねると見た目も音楽性もアメリカのブルースおばちゃんになっていた。天にも昇るような透き通ったあの美声は年輪を刻むことで味のあるしわがれ声になり、その声に似合うのはブルースしかない、と言わんばかりにミシシッピジョン・ハート、レッドベリー、メンフィス・ミニー、ベッシー・スミス、ブラインド・ウィリー・ジョンソンらの古典ブルースのカバーのオンパレードこそがこの『リッチランド・ウーマン・ブルース』だ。ジョン・セバスチャンボニー・レイット、エイモス・ギャレット、タジ・マハール、トレイシー・ネルソンらが参加した豪華かつリアルなブルース集。

アルバム発売を記念しての来日公演では「真夜中のオアシス」も披露してくれたけれど、やはりオリジナルに勝るものではなかった。マリアの声とエイモスのギターが濃密に、そして卑猥に絡み合うあのオリジナルが凄すぎる。ブルーノートでのライヴが終了し、彼女に書いてもらったサインが印象的だった。
"Enjoy, These Old Blues!"
本人がいちばん楽しんでいるんだから聴く側も目一杯楽しまないと。

リッチランド・ウーマン・ブルース

リッチランド・ウーマン・ブルース