無人島レコード ---洋楽編---■
1. Bobby Charles / Bobby Charles (1972)
2. Peter Gallway / Peter Gallway (1972)
3. Rubber Soul / The Beatles (1965)
4. Natural Progressions / Bernie Leadon & Mcihael Georgiades (1977)
5. Southern Nights / Allen Toussaint (1975)

音楽好きが集まって、いい感じに酔っ払ってしまったときの定番のお題である。「無人島に持って行くなら」。いわゆるムジレコ、といやつだ。こういう場合は大抵よくばりになるもので、結局1枚だけなんて選べないからとりあえず5枚ほど、という流れになる。酔った勢いだから翌日にはすっかり忘れていたりもするのだが。

まず無人島のイメージだ。やはり南国の穏やかな島をイメージしよう。浜辺のきれいなところがいい。凶暴な獣に追いかけ回されるよりも愛くるしい小動物たちと戯れたい。気が済むまで日焼けをし、気の向いたときには釣りも楽しむ。ネガティヴな要素は排除だ。そんな要素をひとつでも取り込んでしまうと音楽を聴くどころではない。

選盤の対象としてまず無人島レコードと冠したかぎり、そこはやはりレコード時代の作品に絞ってみた。文字通り誰もいない無人島でLPをひっくり返し針を落とす、という作業はかなり重要視したいところだ。無人島とデジタルはそぐわない。ここはアナログにこだわりたい。便利というものは度が過ぎるとその魅力を欠き、本来の輝きを失いがちだ。

さらに奥の手というか禁じ手ではあるが、洋楽編としての選盤である(ということは邦楽編もあるわけだが、それは次回として)。それぞれの選盤理由として、無人島で過ごす1日のサイクルで考えてみた。



僕としてはSSWモノを避けて通ることはできない。この2枚は永遠だ。無人島で彼らの心情吐露を聴くことは神秘的ですらあるだろう。目覚めにボビー・チャールズから始まり、午前中はこの2枚で楽しめる。



僕の音楽人生の本格的スタートとなったのは紛れもなくビートルズとの出会いだったから、自己への原点回帰という意味合いでも重要なポジションにある。午後から奮起したいときに聴こう。



20歳過ぎに出会ったときも相当好きな1枚だったが、30歳を目前とする頃からもっと好きになったかもしれない。夕暮れ時に聴く「ローテーション」など最高だろう。



真夏の無人島、夜、波の音。似合うのは『サザン・ナイツ』以外見当たらない。適度に粘り気のあるミーターズサウンドとリズムと、トゥーサンの頼りない歌。これで熟睡もできるはずだ。


以上5枚が僕のムジレコである。まぁいつも通りの選盤、か。そこかしこで取り上げてきたものばかりだな。やはり僕の土台というのはギラギラしていたり、あまりに派手すぎるものよりも燻したもの、熟成されたものを好む体質なんだろうとつくづく思う。