bannai452008-04-26

■It All Comes Back / Paul Butterfield's Better Days (1973)■
デビュー盤と同じ73年発表のセカンドアルバム。白人ブルースの着地点を前作とするならば、今作はルーツ・ロック・バンドの新たなる出発点とでもいうべきか。南部色、特にニューオーリンズ寄りのサウンド展開が頼もしい。ロニー・バロンのオリジナル「イッツ・ゲッティング・ハーダー・トゥ・サヴァイヴ」「ルイジアナ・フラッド」や、もうひとりのベター・デイズと呼ぶべきボビー・チャールズの作品が多く含まれているところも南部色を強めている。「スモール・タウン・トーク」のカバーが特に秀逸で、ジェフのリードヴォーカルとエイモスのギターもさることながら、クリス・パーカーのドラムさばきも特筆すべきだ。同曲はジェフ&エイモスの『ライヴ・イン・ジャパン』で大ウケしたことも記憶しておきたいところである。エイモスのギターさばきとなると「イフ・ユー・リヴ」やタイトル曲でのソロはもはやベテランの域に到達している。他にもロニーのソロ作『レヴェレンド・イーザー』に収録されていた「ルイジアナ・フラッド」の再演は原曲以上のテンションで豪快なセカンドライン・ビートが堪能できる。

スタジオ作はわずか2枚のベター・デイズだが、発掘ライヴ音源が99年にCD化されている。グレイトなその内容については次回に持ち越しだ。