bannai452008-05-14

■U.F.O. / Ron Davies (1973)■
ロン・デイヴィスが5年前に亡くなっていたことを最近知った。老いても元気に新作を届けてくれていたわけではないが、この世に存在していないことを知るとやはり切なくなるものだ。

ロン・デイヴィスの名作となれば、もちろん『U.F.O』だ。73年作品。これを手に入れた20歳過ぎの僕はそれこそ死ぬほど聴いた記憶がある。ほろ苦スワンプの名曲「ロング・ハード・クライム」が収録されている、SSW及びスワンプ・ロック系の必聴盤。「ロング・ハード・クライム」はマリア・マルダーのカバーも素晴らしいが、オリジナルのビターな風合いに勝るものはないだろう。ティム・ハーディンの「ミスティ・ローゼス」のカバーも秀逸だ。さらに本作にはビリー・プレストンチャック・レイニー、アンディ・ニューマークらの参加も見逃せないところである。

時代性もあって少々洗練されてはいるが、78年の『アイ・ドント・ビリーヴ・イット』もロン独特の繊細さが散りばめられた佳作である。ディランっぽい1曲目の「プア・マン・ウォークス」など筆舌に尽くし難い。