bannai452009-01-02

■New Orleans 1960 / William Claxton (2006)■


1960年のニューオーリンズ
街角に転がるリズム
体中からほとばしる黒いビート
戯れる子供たち
寄り添う老夫婦
佇む老人
微笑む老人


白と黒の水飲み場にこそ
1960年のニューオーリンズ
克明に写し出されている



今年最初の購入物は、写真家ウィリアム・クラクストンが1960年のニューオーリンズの風景を撮った写真集『ニューオーリンズ1960』だ。ジャズ・ミュージシャンの写真で有名な彼だが、スティーヴ・マックイーンを撮ったことでも知られている。

音楽の街としてのニューオーリンズ、黒人街としてのニューオーリンズ、表通りと裏通り、活気の裏に潜む虚無感のようなものがページをめくるたびにひしひしと伝わってくる。10年前、この地を訪れたとき、観光地から1本裏に入るとがらりと空気が変わったことを思い出したりもした。

購入する前にいろいろと調べてみたが、どうやら絶版のようで店頭在庫のみの状態らしい。ハードカバーの丁寧な装丁、もちろん内容も素晴らしいの一言だし、さらに200ページ近くあるにもかかわらず1575円という破格の値段だ。あるうちにこういうものは手元に置いて、宝物のひとつにするべきかもしれない。