bannai452009-02-03

■Chu Kosaka in Osaka 2001 part1■

それは2001年11月5日、月曜日の夕方のことだった。僕の目の前には小坂忠がいた。会った瞬間、目眩がした。少しでも気を緩めれば、そのままその場に卒倒しそうだった。

当時の僕はラジオの世界の隅っこのようなところにいた。詳細は避けるが自分が制作する番組に小坂忠をゲストに招くことができ、対面となったわけだ。アルバム『People』と先行シングル「夢を聞かせて」のプロモーションでの来阪、メジャー各局を回る合間を抜って小さな小さなスタジオにお越しいただいた。

話題の中心は新作『People』の制作にまつわることだったが、時折見せる、今思うことを熱心に話すさまはやはり牧師としての存在感と説得力に満ちていた。一方、不慣れな関西弁をわざと使っておどける一面はとても気さくなおじさんでもあった。

収録が終り、僕たち4人は小坂忠を囲んで記念写真を撮った。24歳の記録と記憶がフィルムに収められた瞬間だった。


その夜、あまりの興奮からか、僕は高熱にうなされた。小坂忠に初めて会った日は、知恵熱というものを初めて経験した日でもあった。