bannai452008-03-16

■Give It Up / Bonnie Raitt (1972)■
この名盤をエイモス・ギャレットだけで語るのは到底無理な話である。というのもエイモスはタイトル曲だけに参加、しかもギターではなくトロンボーンを担当している。これはこれで存在感を示してくれてはいるが、ボニー・レイットの男勝りなスライド・ギターを始め、エリック・カズの繊細な鍵盤プレイやポール・バタフィールドの疾走感あるハーモニカ、ジョン・ホールの奇才ぶりを発揮するギター・ワークがこのアルバムを決定付けている。

オリジナル3曲、残り7曲はカバーで占められ、その選曲センスとそれらをバックアップする素晴らしいサウンドジャクソン・ブラウンの「アンダー・ザ・フォーリン・スカイ」でのポール・バタフィールドのハーモニカを始め、マイナーSSW、ジョエル・ゾスの「トゥー・ロング・アット・ザ・フェア」でのカズの暖かいピアノとジョン・ホールの情熱溢れるソロがたまらない。このアルバムにおけるジョン・ホールの活躍ぶりは他にも「ユー・トールド・ミー・ベイビー」では空前絶後のスティール・ドラム風ギターなるプレイを披露。ラストはエリック・カズとリビー・タイタスの共作ナンバー「ラヴ・ハズ・ノー・プライド」で締めるという文句ナシの流れ。



■Journey / John Simon (1972)■
「ポエムズ・トゥ・イート」でのジャジーな雰囲気に絶妙な味付けを施すエイモス・ギャレットのギター。ベアズヴィル・スタジオでの録音であるということから他の収録曲に比べ圧倒的にウッドストック感が滲み出ていることは付け加えておきたい。

72年のエイモスの仕事は他にもジェシ・ウィンチェスターの『サード・ダウン・110・トゥ・ゴー』やマーク・クリングマンの『ムーギー』にも参加している。そしてこの72年はベター・デイズ結成の年でもあり、あの名盤は翌年発表されることになる。