■Chu's Garden / 小坂忠 (2009)■ 購入からまだ1週間も経っていないが、このDVDはもう3度も観てしまった。約7年前の師走、底冷えする東京の夜。ただ単に映し出されるパフォーマンスに酔いしれるだけではなく、この日の記憶が思い出が鮮明にフラッシュバックす…

■Chu's Garden / 小坂忠 (2009)■ 小坂忠漬けのここ最近である。 新作『Connected』とボックス『Chu's Garden』を交互に聴く日々だ。ボックスは10枚組で、オリジナル作品は70年代の『ありがとう』から『モーニング』までの6枚と、2001年の『People』。残りの3…

■Connected / 小坂忠 (2009)■ いいアルバムというのは冒頭で決まる。 例えばビートルズの『リヴォルヴァー』の1曲目、「タックスマン」の「ワン、トゥー、スリー、フォー」というカウントからイントロへ流れるあの瞬間。 例えばザ・バンドの『ビッグ・ピンク…

■Jake and The Family Jewels / Jake and The Family Jewels (1970)■ 十数年前、友人Mと東京レコハン1泊2日の旅を敢行した。ちょうど今頃の季節だったと思う。深夜バスに乗り、翌朝はまず福生に出向き、文字通り福生ストラットを満喫した。その後、初日は新…

■バーボン・ストリート・ブルース / 高田渡 (2001)■ こういうご時世だからというわけではないが、高田渡の『バーボン・ストリート・ブルース』を読み返している。彼の文章はステージに立っているとき同様、飄々としているが時折見せる毒っ気や皮肉のスパイス…

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■Survivor / Barry Mann (1975)■ 音楽に、ロックに対して真摯な眼差し アラン・フリードやジョンやポール、エルヴィス、 単なる懐古趣味で彼らの名前を出すわけがなかろう 1975年、その時代に流されず 警鐘を鳴らしていたわけだ 「生き残りなんだ、俺こそが…

■Roger Tillison's Album / Roger Tillison(1971) ■ 汗染みのスワンプミュージック 豪傑して無骨 あるいは大胆 針を落とした瞬間 轟くジェシ・デイヴィスのギター 次いでたたみかけるロジャーの歌 これで全てが決まっている

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■Judee Sill / Judee Sill (1971)■ 薄い灰色に塗り固められた空 窓からぼんやりと外を眺めると 音のない雨が地面を優しく撫でている カップいっぱいにそそいだコーヒーと 小さめのシナモンドーナツをほおばり モノトーンの雨が似合う彼女の歌を聴きながら あ…

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■In The Land Of Dreams / Stanley Smith (2002)■ 乾いた緑と土の香り 琥珀色の酒を啜りながら ジーンズのポケットからくしゃくしゃになった 煙草を取り出し火をつける 夢の町で

■Chu Kosaka in Osaka 2001 part2■ 2001年11月16日金曜日、小坂忠は僕の目の前でウォーミングアップ程度ながら「ありがとう」のイントロを爪弾いていた。夢ではない、現実だ。それは大型レコードショップのインストアイベント直前の楽屋でのことだった。どう…

■Chu Kosaka in Osaka 2001 part1■それは2001年11月5日、月曜日の夕方のことだった。僕の目の前には小坂忠がいた。会った瞬間、目眩がした。少しでも気を緩めれば、そのままその場に卒倒しそうだった。当時の僕はラジオの世界の隅っこのようなところにいた。…

■Chu Kosaka & Friends Concert 2001■ 2001年12月16日、僕は東京にいた。小坂忠とティンパン・ファミリーによる一夜限りのステージを観るために。それまでにも東京には何度か訪れているが、この日ほど緊張、そして高揚した日は今日に至るまで経験していない…

■Bunky & Jake / Bunky & Jake (1968)■ 優しく包み込まれる まるで日曜日の木漏れ日のような響き 何度聴いても胸がときめく 素敵な音楽 すなわち グッドタイムミュージック

■ほうろう / 小坂忠 (1975)■ 縦にも横にもぐらぐらと揺さぶられる。 鉄壁の布陣、最高の歌い手。 それぞれが自己主張を競い合い、 恐ろしいほどの緊張感と絶妙のバランスを保っている。 軽やかで粘りの効いた音の連鎖に酔いしれ、 そして、鼓舞される。

■Vance 32 / Kenny Vance (1975)■ 粋と洗練が凝縮された「パーカーズ・バンド」、ゴキゲンな「アイム・ソー・ハッピー」、透明感溢れる「レイニー・デイ・フレンド」、サルサのお祭り気分「ハネムーン・イン・キューバ」、憂いを含んだ「ワンダフル・ワール…

■New Orleans 1960 / William Claxton (2006)■ 1960年のニューオーリンズ 街角に転がるリズム 体中からほとばしる黒いビート 戯れる子供たち 寄り添う老夫婦 佇む老人 微笑む老人 白と黒の水飲み場にこそ 1960年のニューオーリンズが 克明に写し出されている…

2008年が暮れていく夜、酔いどれた堕天使たちが全身を震わせグッドタイム・ミュージックを奏でる。手を伸ばせば触れられる距離、音の塊に圧倒されつつも身体が揺らめく。グルーヴィーだ。この上なく心地良い時間が流れる。「枯葉のブルース」、「ふらいと」…

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■Peter Gallway / Peter Gallway (1972)■ 結局、僕はこのアルバムを年1回はここに記しておかねば 気が済まないということがやっとわかった all time favorite songs そう言うしかない 生涯抜け出せないであろう1枚だから 今日は眠る前に聴いておこう そうす…

■2008年間ベスト10■ Rocking Chair Girl / 笹倉慎介 風はびゅうびゅう / 寺尾紗穂 おかえりなさい / ハンバートハンバート まっくらやみのにらめっこ / ハンバートハンバート Get Way Back A Tribute To Percy Mayfield / Amos Garrett 細野晴臣ストレンジブ…

■Live〜Moments From This Theatre / Dan Penn & Spooner Oldham (1999)■ 熟成された苦味と渋味 それでいてほのかな甘味を感じる 聴くたびに南部の底力を感じずにはいられない

■Bookends / Simon & Garfunkel (1968)■ 冬の朝、張りつめた空気を吸い込むと鼻の奥がつんと痛くなる。吐く息はいつまでも白く、耳と鼻と頬が赤く染まる。 昨晩、ある店で「アメリカ」が流れていた。誰が歌っているのだろうか。オリジナルに比肩するほど凛と…

■John Barleycorn Must Die / Traffic (1970)■ 発作的にトラフィックの『ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ』を聴きたくなるときがある。ドライでヘヴィー、あるいはクールかつグルーヴィー。冒頭のインスト曲「グラッド」でのウィンウッドの転がるピア…

■The Band / The Band (1969)■ どんなにふさぎ込んでいたとしても、どんなに疲れきった身体でも、焦茶色のジャケットに触れるだけでここに刻まれた音のほとんどを瞬時に思い出せる。 加えて、古びた木造の小屋で聴いているかのような香ばしい木の匂いを想起…

■On The Track / Leon Redbone (1975)■ セピア色したレイジーボーンズ 飄々と世間をすり抜け 葉巻をふかす

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■High Winds White Sky / Bruce Cockburn (1971)■耳をそばだててみると たしかに聞こえる しんしんしん 空は白い 風は舞う 雪の世界で聞こえる しんしんしん

■Scholi Song Book vol.1 / スチョリ (2008)■ 雨の夜に聴いた。だからというわけではないが、雨の匂いがする音に聴こえる。 優しく、そぼ降る雨。気付けば地面が黒く塗られていて、街を行く人々はようやく傘を広げだした。秋の夜の雨はどこか寂しく、どこか…

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■If You're Lonely / Eric Justin Kaz (1972)■ 孤独、絶望、嘆き、諦め、苦しみ、悩み、そして僅かな希望と救いを求める。 エリック・カズは自身が紡ぎ出す流麗なメロディーに乗せて淡々と、且つ冷静に、歌う。98年、CD化になるまで僕は歌詞カードのないLPで…

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■Minnows / Marc Benno (1971)■ 淡い水色の朝霧に包まれた美しいフラニーにいつも心が奪われる。ボビー・ウーマックのしなやかなギターも昔の恋人フラニーに焦がれているかのよう。マーク・ベノの『雑魚』の冒頭、僕は聴く度にそんなことを思う。 素朴にして…

■Exit Strategy Of The Soul / Ron Sexsmith (2008)■ ロン・セクスミスのアルバムにハズレ無し。これは僕の持論だが。95年のデビュー以来、アルバムを買い続けている。前作『タイム・ビーイング』も相当素晴らしい内容だったが、この新作は前作を凌ぐ。歌を…

■The Second Album / Borderline (1974)■ 『スウィート・ドリームス・アンド・クワイエット・ディザイアーズ』を73年に発表しただけで、シーンから遠ざかったボーダーライン。自分たちを揶揄したかのようなバンド名に聞こえなくもない。当時のカントリー・ロ…